金融計算ツール
金融計算ツール編集部公開:2026年7月18日/最終確認:2026年7月18日
老後対策📖 16分で読めます

老後資金の必要額を自分の収支から計算する

「老後2,000万円問題」という言葉に漠然とした不安を抱えていませんか? 実は、必要額は人によって大きく異なり、正しく計算すれば対策も明確になります。 この記事では、あなたの必要額の計算方法と、年代別の具体的な作り方を解説します。

1. 「2,000万円問題」の正体を正しく理解する

2019年に話題になった「老後2,000万円問題」は、金融庁の報告書に由来します。 その内容は「高齢夫婦無職世帯の平均で、毎月約5.5万円の赤字が発生し、 30年間で約2,000万円の取り崩しが必要になる」というものでした。

重要なのは「平均値にすぎない」こと

2,000万円はあくまで平均的なモデルケースの数字です。 持ち家か賃貸か、生活水準、年金額、退職金の有無、何歳まで働くかによって、 必要額は世帯ごとに大きく変わります。 大切なのは「自分の場合はいくらか」を計算することです。

2. あなたの老後必要額を計算する3ステップ

STEP 1

老後の毎月の生活費を見積もる

現役時代の生活費の70〜80%が目安です。総務省の家計調査では、高齢夫婦無職世帯の平均支出は月約25〜28万円、単身では月約15〜16万円です。

STEP 2

年金受給額を確認する

「ねんきん定期便」または「ねんきんネット」で見込額を確認します。目安として、厚生年金の平均受給額は月約14.5万円、国民年金のみなら月約5.7万円(満額でも約6.8万円)です。

STEP 3

不足額 × 老後年数で必要額を計算

(毎月の生活費 − 年金月額)× 12ヶ月 × 老後年数(65歳から90歳なら25年)+ 予備費(医療・介護で500万円程度)が、あなたの必要額です。

計算例:夫婦2人・厚生年金あり

生活費 月27万円 − 年金 月22万円 = 不足 月5万円
5万円 × 12ヶ月 × 25年 = 1,500万円 + 予備費500万円 = 必要額 約2,000万円

3. 年金はいくらもらえるのか

公的年金は「老齢基礎年金(国民年金)」と「老齢厚生年金」の2階建てです。 会社員は両方を受け取れますが、自営業・フリーランスは基礎年金のみのため、より多くの自助努力が必要です。

働き方年金月額の目安(1人あたり)
会社員(平均年収500万円・40年勤務)約15〜16万円
会社員(平均年収700万円・40年勤務)約18〜19万円
自営業・フリーランス(国民年金満額)約6.8万円
専業主婦(夫)(第3号被保険者)約6.8万円

※あくまで概算の目安です。正確な見込額は年金受給額シミュレーターや「ねんきんネット」でご確認ください。

4. 老後資金の作り方:新NISAとiDeCoの使い分け

老後資金づくりの2大制度が「新NISA」と「iDeCo」です。 どちらも運用益が非課税になりますが、性質が異なるため使い分けが重要です。

新NISA:柔軟性重視

  • • いつでも引き出せる(流動性が高い)
  • • 年間360万円・生涯1,800万円の非課税枠
  • • 教育費など老後以外の目的にも使える
  • • まずはこちらを優先するのが基本

iDeCo:節税効果重視

  • • 掛金が全額所得控除(毎年の税金が減る)
  • • 原則60歳まで引き出せない
  • • 「強制的に老後資金を貯める」効果がある
  • • 収入が高い人ほど節税メリット大

基本戦略は「生活防衛資金 → 新NISA → 余裕があればiDeCo追加」の順。 収入が高く税負担が重い人は、iDeCoの優先度を上げると節税効果を最大化できます。

5. 年代別・毎月の積立額早見表

65歳までに2,000万円を作る場合に必要な毎月の積立額です(年利5%で運用した場合)。

開始年齢積立期間必要な毎月の積立額元本合計
25歳40年約1.4万円約672万円
35歳30年約2.5万円約900万円
45歳20年約4.9万円約1,176万円
55歳10年約12.9万円約1,548万円

※年利5%は計算例を比較するために置いた一定の仮定です。特定の指数の実績や将来予測ではなく、税・手数料・相場変動も反映していません。 開始時期が遅くなるほど同じ目標額に必要な毎月積立額が増える点を比較してください。

6. 老後資金づくりでやってはいけないこと

  • 退職金を受け取ってから慌てて投資デビュー:退職金の一括投資は最も危険なパターン。投資は現役時代から少額で経験を積むこと
  • 「老後が不安」を利用した高手数料商品を買う:外貨建て保険・ファンドラップなどは手数料が割高な傾向
  • 年金を繰り上げ受給で安易に減らす:60歳受給開始は65歳比で24%減額が一生続く。健康で働けるなら繰り下げ(増額)も検討
  • インフレを無視して全額預金:物価2%上昇が続くと、預金の実質価値は20年で約3分の2に
  • 計算せずに漠然と不安になる:必要額を数字にすれば、やるべきことは意外とシンプル

あなたの老後資金プランを計算してみよう

この記事で解説した計算を、無料ツールで実際にシミュレーションできます。